今回ご紹介する本は、「不撓不屈」(新潮社 高杉良著)です。
この本は実話に基づく税務調査を題材にした経済小説で、映画にもなりました。
非常に有名な話です。
主人公はTKCの創業者の飯塚税理士です。
TKCというのは会計ソフトのメーカーであり、全国1万以上の税理士を対象に情報提供サービスをしたり出版をしたりする会社で現在は東証1部上場企業です。
このTKCを作った飯塚税理士が若いときに国税と戦った話です。
飯塚税理士は、中小企業の節税のためにとった税務手法を否認されてことで税務当局へ訴訟を起こしたのですが、税務当局のメンツを潰した報復に顧客への理不尽な税務調査や事務所への検察捜査などを受けます。
昭和38年の頃の話です。
嫌がらせのように職員が4人も法人税法違反教唆で逮捕、起訴されます。
最終的には6年経って無罪判決で確定します。
インターネットで「飯塚事件 TKC」と検索すれば詳細が出て来ます。
多少の脚色はあるかもしれませんが、権力の横暴さや、その権力に負けない不撓不屈の精神からは多くの学びがあります。
ベンチャーサポート税理士法人はTKCを使っていませんが、TKCの理念には賛同する言葉が多いです。
「一円の取り過ぎた税金もなく、一円の取りたらない税金もなし」
この言葉は僕が好きな言葉の一つです。
小説としても非常に面白く、感動できる話ですので、税理士業界で働く人ならば是非読んでおいてください。
まとめ
税理士をやっていると、税法やルールではどうにもならない局面が必ずあります。
その時に必要となるのは気概であり、戦う気持ちです。事務作業や書類作成が仕事ではない、本当の仕事のイメージが付く一冊です。
この記事を書いた人
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税理士/大阪オフィス代表
神戸大学 経営学部 市場システム学科卒業
大学卒業後、某電機メーカーに就職し営業に配属。初年度新人ランキング2位の成績を上げて表彰される。ところが、営業という仕事への葛藤から転職を決意し税理士の世界へ。複数の税理士事務所を経てベンチャーサポート税理士法人に入社。現在は取締役に就任し、主に集客や求人、人事などに従事している。
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