所長税理士の年齢別で考える!税理士事務所の特徴

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 所長税理士の年代別に事務所の特徴を分析!

前回は規模別に税理士事務所の特徴※を書きましたが、今回は所長である税理士事務所の代表の年齢別に特徴をまとめてみます。

※前回記事:規模で分類!税理士事務所の特徴を知ろう!

どの世代の税理士事務所へ就職するとどんな感じなのか。

少しでも参考になればと思います。

もちろん世代関係なく優秀な方はおられますので、傾向ということで大きく括っています。

同業者の方でこの記事を読まれた方は笑って読み流して下さい。

1.第一世代(創業者が60歳代以上)

2.第二世代(創業者が45歳~60歳)

3.第三世代(創業者が35歳~45歳)

4.第四世代(創業者が35歳以下)

大きくこの4つに分けました。

年代別 税理士分布割合

年齢別の円グラフをご覧ください。

60歳以上で53%ほど、40歳以下は10%ちょっと。

上の分類でいくと第一世代がほとんどで、第二世代までで大半を占め、第三、第四世代は結構貴重というのがこのグラフからわかっていただけるかと思います。

では、それぞれの特徴を見ていきましょう。

1.第一世代(創業者が60代以上)

古き良き時代に税理士なり公認会計士資格を取り、良いビジネス環境で事務所経営をされていた世代です。

営業活動をしなくても生活に困らない(というか結構裕福)ほどのクライアントを持つことができ、自宅兼事務所のような形でのんびり仕事ができました。

現在もほとんどが零細会計事務所ながら、昔からのクライアントを対応して営業しています。

この世代の零細、小事務所には将来性は残念ながらないでしょう。

悩みは後継者がいないこと。

大量にいるこのタイプの事務所を狙って会計事務所のM&Aがここ数年活発化しています。

要は退職金代わりに大規模事務所へ身売りすることで後継者問題も解決するわけです。

今後、第一、第二世代の大規模事務所の草刈り場のようになる可能性があります。

また大規模事務所のほとんどはこの第一世代に属します。代表例は日本最大の税理士法人である辻・本郷税理士法人でしょう。

バブル期に資産税関連で業績を伸ばし、その後はM&Aなどを使い業界で大きなシェアを持ったのがこの世代です。

大規模事務所を一代で作られた方々はお会いしてもビジネスセンスを感じますし、迫力のようなオーラを身に纏っておられます。(長いものに巻かれるためにお世辞を言っているのではありません。第二世代の創業者よりこの世代の方のほうが優秀なのです)

第一世代の会計事務所へ就職するなら、組織化事務所もしくは大規模事務所以外はあり得ないのではないかと考えています。

2.第二世代(創業者が45歳~60歳)

この世代は途中までは第一世代と同じように恵まれた環境で税理士業を行えたのですが、第三世代からの突き上げを受け、零細、小事務所の経営は苦しくなっていると聞きます。

私の印象では第一世代よりも営業力があり、成長意欲も高い方というかガツガツしている方が多いです。

零細事務所の代表の方は、気難しい、職人タイプが多いという感じでしょうか。

この世代で大規模事務所を作っている方はM&Aという手法を使っているのも特徴的です。

資金に余裕があり、インターネットには疎いとなるとその手法が最も効果的となるのだと思います。

個性の強い俺が俺がタイプの創業者が多いので、雰囲気のいいところはほとんど見かけたことはないです。

社内が宗教的だと言われていたり、風通しが悪いと言われているのはそこが原因と見ています。

もちろん例外もあります。

新しい経営手法やマネジメントスタイル、マーケティング手法をいち早く取り入れて成功されているこの世代の方もおられます。

私が最も尊敬している大阪の同業者である先輩もこの世代の方です。

第二世代の会計事務所へ就職するならこれも規模は中堅、組織化、大規模の中から選ぶことになると思います。

独特の雰囲気を持っているところが多いので、そこを慎重に見極めて下さい。

3.第三世代(創業者が35歳~45歳)

この世代は業界的にもインターネット世代と言われています。

就職した時期からすでにバブルは崩壊し、税理士は将来的に食えなくなると言われていました。

それだけに税務だけ出来てもダメなんだとマーケティングなどそれ以外の分野にも興味を持つ傾向にありました。

実際にインターネットを新たな顧客獲得手段として活用し、多くの事務所が成長に成功しています。

辻・本郷の本郷先生は10数年前から次はインターネットを上手く使った人が出てきて大きく成長するとおっしゃっていたそうです。その通りになっているのが現状です。

私もこの世代に入るわけですが、大学生の頃からインターネットは普通に使っていました。

独立する2年前くらいからは、税理士業界もインターネットによって大きく変わると確信を持っていました。

SEOという言葉が普通になり、リスティング広告やスマートフォンなど、時代の変化が大きかった分、それを利用して波に乗ったのがこの世代でしょう。

また税理士業界に低価格化の波を起こしたのもこの世代です。

新たなマーケティングを仕掛ける上で第一世代、第二世代から顧客を奪っていくのに低価格戦略を取るところが出てくるというのは当然のことでした。

現在は極端な低価格は業務品質を担保できないことなどから沈静化しています。

私は低価格の波は危険と思っていたので乗りませんでしたが、この戦略で一定の規模まで成長しているところもたくさん出てきています。

この世代はマーケティングが得意な人は多いのですが、組織作りには苦労している人が多いです。

マネジメントの壁で躓き、拡大できずに零細事務所でいる人はよくみかけます。

今後10年、伸びるのはこの世代でしょう。この中から中堅、組織化、大規模事務所へと成長し、業界の中心にくる事務所が出てくるのは間違いないと思います。

第三世代の会計事務所への就職は最も人気です。

やはり現在20代の就職する方から見ればインターネットを当然のように活用し、効率化にも積極的なこの世代は馴染みやすいためでしょう。

私も自分が属しているからというのは置いておいたとしても、この世代の小事務所、中堅事務所、組織化事務所、大規模事務所への就職が最もオススメです。

4.第四世代(創業者が35歳以下)

この世代で独立している人はまだ多くいるわけではありません。

一つ上の第三世代がネットを最大限に活用して成長したのですが、この世代の方は再び人脈営業などリアルなところへ戻っていると聞きます。

また成長に対して貪欲ではない方が多いというのも特徴と言えます。

そんなガツガツしなくても、自分で対応できる範囲のクライアントを持ってのんびり生きていこう的な感じです。

面白いことに、第一世代の零細事務所のような形の第四世代の事務所は増えています。

このノンビリタイプの事務所はそもそも人を募集しません。

もしこの世代で積極的に採用している会計事務所があれば将来有望だと思います。

この世代の会計事務所に就職するなら、規模は問わず成長意欲のあるところを選ぶのがベストだと思います。

 

まとめ

私は各世代の代表的な税理士事務所の代表の方とはほぼお会いしたことがあります。

また零細事務所の方もごく稀にやる税理士向けセミナーに来て下さるので、そこで現状をお聞きしています。

どの世代でも優秀な方は存在しますが、その世代ごとに特徴はあります。

これから税理士業界へ就職される方は、規模別だけでなく、年齢別の特徴も知って参考にされて下さい。

 

 

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>>>この記事を読んだ方は以下のような記事を読んでます!

・就職してはいけない会計事務所、5つの見分け方

・会計事務所ってどういうポイントで選べばいいの?(経験者向け)

・会計事務所ってどういうポイントで選べばいいの?(未経験者向け)

<i></i>この記事を書いた人

ベンチャーサポート税理士法人 中村 真一郎
ベンチャーサポート税理士法人 中村 真一郎
税理士/総代表

昭和50年生まれ。愛媛県出身。

小学校から高校まで、地元愛媛で育つ。
18歳で大学進学のため、京都へ。
24歳のときに税理士資格を取得。

その後、梅田にある会計事務所に勤務。
外資系企業を担当し、会計業務だけでなく本国への実績レポートや銀行業務等をアウトソーシングで受託支援。
在職中はユニバーサル・スタジオ・ジャパンの日本進出にも携わる。

26歳のときに税理士登録後、転職し起業支援を行う会計事務所に入所。 多くの企業の会社設立、会計業務立ち上げを経験し、起業の大変さを肌で感じ、税理士の使命は中小企業経営者のよき理解者となり、共に発展していくことだと強く認識する。

2003年8月ベンチャーサポート総合会計事務所を設立。現在も変わらず「起業家を全面的にサポートする」ことを人生最大の使命と考えている。

趣味はサッカー観戦と競馬と読書。プレミアリーグ「アーセナル」のファンで毎年ロンドンへ通う。凱旋門賞を見るため毎年パリにも通いたいがそれは将来に。読書は幅広く何でも読む。特に歴史には詳しく「全ての答えは歴史の中にある」が持論。