就職してはいけない会計事務所 “5つの見分け方”

就職してはいけない会計事務所 5つの見分け方

 

まだ就職活動しないでください!先に知るべき大事な話

世の中で話題のブラック企業。会計事務所なんてほとんどがブラック企業だと言われていますが、当たらずとも遠からずなのかもしれません。

しかし、就職する側から考えたときに、就職してはいけない危険な会計事務所の基準は変わってきます。

試験勉強との両立をしたい人なら残業がどれくらいあるのかが最も重要なポイントになるでしょうし、思い切り働いて早く実務能力を高めたい人にはのんびりした事務所が就職してはいけない会計事務所ということになります。

でも、誰にとっても重要なポイントがあります。

それは「職場環境」です。

試験と両立したい人も、思いっきり働きたい人も職場環境が悪いところに入ってしまうとその目的が達成するための大きな障害となります。

こういったミスマッチを起こさないために、就職したい事務所のホームページを見てください。

ホームページすらない会計事務所はそもそもかなり旧世代事務所です。

所長の家族が事務所内にのさばっていたり、愛人が牛耳っていたりする可能性があります。

それは極端にしても、職場環境なり雰囲気がいいところだとは想定しにくいのは事実です。

ホームページがない場合は、大原やTACが出す会計事務所専門の求人誌や人材ドラフトのサイトで募集要項を見てみましょう。そこにも判断するために必要な情報が載っています。

では、その職場環境の良し悪しを見極める5つの方法をお伝えしましょう。

1.年齢構成を見る

騙されやすいのは平均年齢という指標です。低いから若くて活気があると勘違いしがちです。

所長に近い年齢のベテランスタッフが数人いて、後は若いスタッフという場合、平均年齢は下がりますが実は危険な典型例です。

ベテランスタッフの性格が悪く、中堅層が育たないために離職率が高く、常にベテラン+新人という人員構成になっている可能性が高いです。

要するに年齢構成に偏りがある場合は「人を育てられない」と言い切っていいと思います。

所長の年齢を基準として、10歳区切りでバランスよく人材が揃っているところは人材育成がうまくいっていると考えて下さい。

所長が50代なら、40代、30代、20代とバランスよく散らばっているのが理想的です。

2.男女比率を見る

この指標も色んなことが読み取れます。

所長以外女性ばかりの場合は、間違いなくその所長は男性スタッフを育てることが出来ないタイプです。

非常に厳しく男性スタッフに接し、自分と同じレベルの仕事ができないと怒り続けます。そして男性スタッフはみんな長続きせず、怒られない女性だけが残るのです。

逆に男性スタッフばかりの場合はおそらく女性蔑視的な所長の可能性が高いです。

が、こういった場合は男性にもよい環境を用意できないため発展する会計事務所であることはまずありません。

まれに女性所長でスタッフも全員女性というところがありますが、これは女性にとっては働きやすい環境である場合が多いと聞きます。

3.所長の年齢を見る

代表の年齢によって職場環境なり雰囲気が決まるのは事実としてあります。

税理士の年齢構成をご存知でしょうか?

60歳以上が6割くらいあります。60歳以上の所長の事務所がベンチャー企業のように活気があって、楽しいってことはまずないです。

ただし、高齢所長の場合はガツガツしていないため落ち着いて仕事ができる、勉強との両立が容易という可能性が高いです。

一方若手税理士が所長の場合、成長に積極的な場合が多いです。

必然的に仕事はハードで、残業も多い傾向にあります。

仕事を早く覚えたいならこっちの方が数倍早いのも事実です。

また所長が若くても二代目、三代目の場合は注意が必要です。

私が今まで見てきた会計事務所の二代目、三代目は大体世間知らずのおぼっちゃん。

就職してろくなことはないとお伝えしておきましょう。

4.未経験者を採用しているか確認する

これを確認することでわかることは教育体制が確立されているかどうかです。

未経験を採用するということは教育できる自信があるということです。

ベンチャーサポートも初期は未経験者を採用しませんでした。

教育する余裕がなかったので「教育は大手会計事務所にしてもらおう。それが終わった人を採用したい」と言っていました。

今は自分たちが大手になったので、しっかり教育体制を作りましたけども。

未経験者を採用していない場合、自分の実力にまだ自信のない人は就職するのは避けた方が無難です。

教える文化はない事務所と判断できますので。

あと1つ注意が必要な場合があります。

未経験者ばかりをやたらと採用したがるところには落とし穴があります。

経験者を採用しても自社の雰囲気が悪いためすぐに退職されることから、業界知識のない真っ白状態の未経験者しか採用できない事務所の可能性があります。

何事もバランスが大事なので、極端な未経験者歓迎は要注意です。

5.有資格者の人数を見る

税理士会のページで、その会計事務所の有資格者の数は確認できます。

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(検索方法)https://www.zeirishikensaku.jp/sch/zs_sch0.asp

このページから「条件を指定して検索したい場合」の「税理士」を選択します。そして「事務所名」の欄に会計事務所名を入れれば調べられます。

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この指標からわかるのは、試験と両立できるのかというところと、業務品質は維持されているかという2点になります。

所長一人で後は誰も有資格者がいないというところへ就職する場合には資格取得は諦めた方がいいかもしれません。

残業の多さを確認するには・・・

上記5つのポイントを確認すればその会計事務所の職場環境はおおよそ推定できます。

そして一番確認しやすいものを最後にお伝えしておきます。

残業が多いかどうかは、その会社のオフィスに行って夜の窓明かりを見れば分かります。(電話をかけるだけ分かりません。電話代行会社に委託して24時間対応しているケースがあるからです)

月末はたいていどこの事務所の遅くまで明かりがついていると思うので、月初の暇そうなタイミングで見に行くのもよいでしょう。

そして、試験勉強を優先したい人は不夜城的な職場は避けておけばいいですし、ガツガツ働きたい人はわざとそこに飛び込むのもありです。

税理士事務所の残業について、統計データなどからある程度正確な時間数なども調査した記事がありますのでそちらもご参考ください。

税理士事務所の繁忙期と「残業の実態」について

これらの情報を収集して、ぜひ自分に合った会計事務所を見つけてみてください。

就職・転職を避けるべき会計事務所求人の見分け方 |会計事務所の求人

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>>>この記事を読んだ方は以下の記事を読んでます!

・規模別に分類!「会計事務所の特徴」

・税理士合格者対談「働きながら短期間で5科目合格する秘密」

・会計事務所ってどういうポイントで選べばいいの?(未経験者向け)

この記事を書いた人

ベンチャーサポート税理士法人 中村 真一郎
ベンチャーサポート税理士法人 中村 真一郎
税理士/総代表
昭和50年生まれ。愛媛県出身。
小学校から高校まで、地元愛媛で育つ。18歳で大学進学のため、京都へ。24歳のときに税理士資格を取得。その後、梅田にある会計事務所に勤務。外資系企業を担当し、会計業務だけでなく本国への実績レポートや銀行業務等をアウトソーシングで受託支援。在職中はユニバーサル・スタジオ・ジャパンの日本進出にも携わる。26歳のときに税理士登録後、転職し起業支援を行う会計事務所に入所。 多くの企業の会社設立、会計業務立ち上げを経験し、起業の大変さを肌で感じ、税理士の使命は中小企業経営者のよき理解者となり、共に発展していくことだと強く認識する。
2003年8月ベンチャーサポート総合会計事務所を設立。現在も変わらず「起業家を全面的にサポートする」ことを人生最大の使命と考えている。
趣味はサッカー観戦と競馬と読書。プレミアリーグ「アーセナル」のファンで毎年ロンドンへ通う。凱旋門賞を見るため毎年パリにも通いたいがそれは将来に。読書は幅広く何でも読む。特に歴史には詳しく「全ての答えは歴史の中にある」が持論。
中村真一郎オフィシャルブログ

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