税理士事務所の仕事内容 (2)簿記について

税理士事務所の仕事内容 (2)簿記について

 

税理士事務所の仕事って、実際どんな仕事?

今回は経理の基本である「簿記」についてです。

会計事務所では業務としての「簿記」をどのようにしているのでしょうか?

実は、簿記論や簿記検定で学ぶような手書きの仕訳や帳面作成は、現場では滅多に行いません。ほとんどの税理士事務所では「会計ソフト」を使って簿記を行います。

会計ソフトは本当に便利なものです。私が初めて会計事務所に勤めた時(もう10年以上も前ですが・・)、こんな便利なものがあるのかと感激をしました。

もちろんですが、自動で集計しますので貸借は自動で一致しますし、入力も簡単です。今までの辛い勉強はいったい何に役立つの?と思ったくらいです。

会計ソフトはたくさん種類があり、事務所によって導入しているソフトは違います。通常、所長税理士が独立前に使っていた会計ソフトをそのまま使うことが多いようです。

とはいえ、最近は安い会計ソフトやクラウドで使える会計ソフトも出てきているため、若手の税理士は積極的に新しい会計ソフトを探しています。

有名な会計ソフトとしては、

・弥生会計
・JDL
・TKC

などがあります。

弥生会計などはネットで無料お試しダウンロードもできます。

税理士試験の勉強の気分転換に、「税理士事務所で働いたらこんなソフトを使うのかー」というイメージを持ってみてはいかがですか?

 

さて、少し現場のイメージもお伝えしましょう。

会計事務所の職員は、レシートや通帳や伝票などの会計資料を見て会計ソフトに仕訳を入れます。

たとえば事務所の家賃10万円を普通預金から支払っていれば、

地代家賃 100,000/普通預金 100,000

と言った具合です。

現場では簿記で学ぶような難しい仕訳は滅多になく、逆に簿記では目にしないような「消耗品費」「新聞図書費」「福利厚生費」「雑費」などがたくさん出て来ます。

こういった仕訳を入力すると、会計ソフトが自動的に集計をするので、試算表や決算書などは自動作成されるという仕組みになっています。

ちなみにこの入力作業を会計業界では「記帳代行」と言い、記帳代行をお客さんにやってもらうことを「自計化」と言います。

最近は会計ソフトが使いやすくなったことから、社長の奥さんが自分でデータ入力を行うケースも増えています。「会計ソフトの使い方」を教えるもの会計事務所の仕事です。

このように時代的には手書きの簿記が消えてしまって、勉強の成果を発揮する機会が減ったように思えますが、いくら会計ソフトが便利になったとはいえ、簿記の知識が必要ないわけではありません。

会計の知識がないと「なぜこの入力をするのか?」や「会計の流れ」がわからないからです。また、少し特殊な会計処理が出てきたときに対応できなくなります。

今、簿記論を学んでおられる方は、その勉強が必ず実務で役立ちます。がんばってください!

 

まとめ

会計ソフトがドンドン発展し、簿記そのものの知識は徐々に仕事で活用する機会が減ってます。
とは言え、ベースとなる簿記の基礎知識がないと薄っぺらい仕事しかできません。ちょっと特殊な処理が出た場合に立ちどころに対応ができなくなります。また税理士としてクライアントに会計ソフトの使い方を教えることも不安になります。今、簿記の勉強をしてる方はそれが実務でも役立つと考えて、しっかり勉強を進めてください。

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この記事を書いた人

ベンチャーサポート税理士法人 森 健太郎
ベンチャーサポート税理士法人 森 健太郎
税理士/大阪オフィス代表
神戸大学 経営学部 市場システム学科卒業
大学卒業後、某電機メーカーに就職し営業に配属。初年度新人ランキング2位の成績を上げて表彰される。ところが、営業という仕事への葛藤から転職を決意し税理士の世界へ。複数の税理士事務所を経てベンチャーサポート税理士法人に入社。現在は取締役に就任し、主に集客や求人、人事などに従事している。

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